2024.06.18
少し前に、高尾山にあるサル園・野草園に行きました。
そこで飼育員さんから興味深いお話を聞いたので、今回はそれをご紹介したいと思います。
本来、サルの群れには、雄はボスザルの1頭のみとされているそうです。
最も強い雄がその群れを率い、餌を求めて移動しながら生活するそうです。
一方で、サル園では、ボスザルの他にもオスがいて、みんなで一緒に生活しています。
サル園で本来とは違った群れの営みが続くと、サルの群れには変化が出てきたそうです。
どのような変化があったと思いますか?
まず、雄ザルの中に子育てをする個体が現れたそうです。
既に触れたように、本来群れを離れる雄ザルには「自分の子」という意識はありません。
そのため、近所の世話焼きおじさんといった形で色々な子どもの面倒を見るそうです。
また、群れのボスは強さではなく、メンバーからの信頼度によって選ばれるそうです。
今サル園の群れを率いているボスザルは、ボスになった当初は人間でいうと20代という若さだったそうですが、
メンバーからの絶大な信頼からボスに選ばれたそうです。
母親の補佐の役割に回る、あるいは信頼ともとに集団を営む様子は、社会性とも言えるのではなかと思います。
心理学を学ぶと、愛着や学習などチンパンジーの実験から導かれた理論に触れます。
今回はチンパンジーではなくサルでしたが、個ではなく集団という視点でも、
人に近い様子があることがとても興味深く感じました。