コラム

第82回 感覚のはなし その1

2024.09.17

 視覚や聴覚のような、身の回りの情報を知るための機能の他に、自分自身の体の情報を知るための

感覚があることをご存じですか? 

自分自身の体の情報について知るための感覚、「触覚」「前庭覚」「固有覚」について紹介します。 

 

ふんわりと柔らかい毛布にくるまれると気持ちがいいと感じますね。 

一方で、熱いお鍋に手が触れるととっさに手を引っ込めます。 

あるいは自分の体に虫がとまった時も、思わず手でサッと払いのけるでしょう。 

このように、私たちは、触覚から肌触りや痛みを感じることで、 

気持ちを落ち着かせたり、身を危険から守ったりしています。 

 

また、私たちは、片足を上げて、不安定な姿勢でも靴や靴下を履くことができます。 

ジャンプしながら1点を見づつけることもできると思います。 

このように、前庭覚は、体のバランスを取ったり、体が動いても 

視野がずれないように眼球を動かしたりする働きを担っています。 

 

そして、私たちは、わざわざ目で見なくても手でグーチョキパーを作ることができます。 

固有覚によって、筋肉の状態から自分自身の体の在り方(姿勢)を感じ取っている 

からです。 

固有覚が機能することで、聞きながら書く、ボールを見ながらキャッチする 

といった〝ながら作業〟を行うことができます。 

 

この3つの感覚は無意識のうちに働かせているものですが、実はとても大切なものです。 

(次回に続く)